「重さは欲しいけれど、木材が手に入らない」という相談
ある商品開発の相談で、長年使っていた木材の仕入れ先が手配できなくなり、製造が止まっているという話がありました。
重量感と高級感を保ったまま代わりの素材に置き換えたいものの、かさ増しに見えてしまうのが心配で、手が止まっているとのことでした。
重りを内部に隠すと、継ぎ目が増えて質感がそろいにくい
木材の代わりに重さを補おうとすると、内部に金属などの重り材を仕込む構造になりやすいです。
重りを隠すためには部材を分割して組み立てる必要が出てきます。接合部が増えるほど、表面に段差や隙間が出やすくなります。
木部と金属部の境目で質感が途切れ、狙っていた高級感とは逆の印象になりやすい状態です。
木材は密度が低く、体積で重さを稼ぐ発想になりやすい
木材は金属に比べて密度が低い素材です。同じ大きさで重さを出そうとすると、木材だけでは体積を大きくするしかありません。
デザイン上、極端に大きくできない場合は、内部に別素材の重りを入れる発想になります。ここまでは自然な流れです。
重りを「隠すもの」として扱うと、見た目に影響しない位置に押し込む必要が出てきます。位置の自由度が下がり、組み立て構造が複雑になりやすくなります。
木工と金属加工、両方の質感を並べて比べる
今回は金属加工と木工、両方の技術者とやり取りできる立場から検討しました。木工だけで考えると、重りは「見せたくないもの」になりがちです。
金属加工の視点を加えると、真鍮やステンレスは重量を出せるだけでなく、色味や質感そのものに高級感があります。
重りを構造の裏側に隠すか、意匠の一部として表に出すか。木工と金属加工、両方の質感を並べて比べられる立場で検討できた部分です。
真鍮とステンレスを、意匠として見える位置に置く
検討したのは、重り材を内部に隠す構造をやめて、真鍮やステンレスを持ち手や脚部など外から見える部分に配置する案です。
金属パーツに重量を担わせながら、そのまま意匠として見せる考え方です。
木部との継ぎ目は「隠すべき欠点」ではなく「異素材の切り替わり」として、あらかじめデザインに組み込みます。
接合部の数自体は大きくは変わりません。見せる前提で設計すると、継ぎ目の位置や仕上げ方を先に決めやすくなり、質感の統一感を保ちやすくなります。
素材の比重差は、隠す制約ではなく設計の材料になる
木材に限らず、樹脂と金属、樹脂と石材など、比重の異なる素材を組み合わせる場面は他の商品開発でもよくあります。
異素材を、本来使いたい素材に近づけるための代用品として隠すか、異素材だと分かるように見せるか。この判断は、重量調整とデザイン性を両立させたい場面で共通して使える視点です。
見せる方向で考えると、素材ごとの加工精度や仕上げの違いも、あらかじめ前提として設計に織り込みやすくなります。
設計の方向性から、加工先の選定まで一緒に検討します
MACHICOCOは東大阪の技術者と提携して、商品開発のプロジェクトマネジメントをおこなっています。自社に大きな設備は持っていません。
今回のような案件では、木工と金属加工、それぞれの技術者とやり取りしながら、重さの出し方と質感の見せ方を一緒に検討します。
設計の方向性を決める段階から、試作、量産に向けた加工先の選定まで対応しています。
手書きの絵や写真からでも、相談を始められます
相談の際は、次のようなものがあると話が早く進みます。
- 現在の商品の写真、または手書きのイメージ
- 重さや大きさの目安、希望する重量感
- これまで使っていた木材や仕入れ状況が分かる情報
- 希望する数量や今後の生産規模のイメージ
- 現物のサンプルがあれば、それも
図面がなくても構いません。アイデア段階でも、設計・試作・加工方法から一緒に検討できます。手書きの絵や写真からでも相談できます。



