相談の中身
高所での電線カット作業に使う、
市販の電動工具を取り付けるための治具を作りたいというご相談でした。
高さ6〜7mでの作業に使う道具になるため、強度は必要ですが、
重量はできるだけ軽くしたいとのことでした。
そんな相反する条件が、最初から出ていた案件です。
設計から製作、組み立てまでを一つの窓口にまとめたいというご要望もあり、
調達先が分かれてしまうことによる手間を減らしたいというのが、
根っこにあるご希望でした。
難しかったところ
条件がいくつも重なっていました。
まず、電動工具本体を分解することはNG。
買ってきた状態のまま、治具に取り付けられることが絶対条件です。
スイッチを入れるための紐には電気を通してはいけない、という絶縁の指定もありました。
紐そのものは取材先のご担当者側で手配するとのことでしたが、
治具側でその条件を満たす設計にする必要がありました。
さらに、
バッテリーは支給品よりも少し大きめのサイズが入る余裕を持たせてほしいという指定も。
現場で交換しやすいように、という理由からでした。
試作は支給された工具に合わせて作り、
量産時は別の仕入れルートで工具を調達して組み立てる、
という進め方も決まっていました。
図面には、高さ調整金具や角度調整式先端金具など、複数の部品が含まれていました。
材質はアルミ合金(A5052)を指定した部品もあり、
ねじ部分は「割れる可能性がある」という懸念点が、
図面の手書きメモとして残っていたほどです。
細かな寸法と公差を守りながら、強度と軽さの両方を成立させる設計が求められました。
どう解決したか
設計図を提出し、確認・検証を経てから試作1台を製作するという流れで進めました。
変更点が出れば設計に反映し、検査・組み立てをしてから納品、
確認のうえで必要数を製作する、という段階を踏んでいます。
製作は板金仕様で進行。
取り付け部分は分解せずそのまま使える機構にし、
絶縁が必要な部分は紐側の仕様とあわせて成立するよう設計しました。
バッテリー収納部分は交換のしやすさを考えた余裕を持たせた寸法にしています。
工具を選ばず外部から取り付けられる形にすることで、
試作時と量産時で工具の仕入れ先が変わっても対応できる設計にまとめました。
できあがり
市販の電動工具をそのままの状態で取り付けられる、
板金仕様の取り付け治具が完成しました。
高所作業に耐える強度を持ちながら、
バッテリー交換のしやすさや絶縁の条件も満たした仕様です。
その後、同じ取材先様からケーブル線カッター用ガイドパーツのご依頼もいただき、
40個の発注につながっています。











